時間管理
ドライバーの時間管理は、ドライバー任せにせず、次の手順で行うことが求められます。
- (1)運行管理者が、改善基準告示に基づき勤務時間(拘束時間)及び乗務時間(運転時間)を定めること
- (2)労働時間等の管理を実施すること
- (3)諸帳票類で実施状況を確認すること
- 4)問題があれば改善していくこと
拘束時間と労働時間
- 拘束時間=労働時間+休憩時間(仮眠時間を含む)
- 労働時間=作業時間(運転・整備・荷扱い)+手待ち時間(荷待ち時間)
- 拘束時間=24時間 − 休息期間
改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善の為の基準)と行政処分
◆安全規則第3条第4項違反【設定違反】
項目 | 改善基準の内容 |
---|---|
拘束時間 | 1ヶ月 293時間 |
1年 3,516時間 | |
1日原則13時間、最大16時間 | |
15時間超は1週2回 | |
運転時間 | 2日平均1日当り9時間 |
2週平均1週当り44時間 |
事項 | 初回違反 | 再違反 |
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20%未満 | 警告 | 20日車 |
20%以上50%未満 | 20日車 | 60日車 |
50%以上 | 30日車 | 90日車 |
◆安全規則第3条第4項違反【遵守違反】
項目 | 改善基準の内容 |
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連続運転時間 | 4時間以内 運転離脱30分以上(分割1回当り10分以上) |
休息期間 | 連続8時間以上 |
平成13年国交省告示第1365号の なお書き |
一の運行は144時間(営業所を出発し帰着する迄の時間) |
事項 | 初回違反 | 再違反 |
---|---|---|
計5件以下 | 警告 | 20日車 |
計6件以上15件以下 | 20日車 | 60日車 |
計16件以上30件以下 | 30日車 | 90日車 |
計31件以上 | 40日車 | 120日車 |
乗務時間等告示なお書の遵守違反 |
20日車; | 60日車 |
作成すべき帳票類
- (1)運転日報(乗務等の記録)(安全規則第8条)
- 乗務員の乗務の状態・過労防止・過積載防止等、業務の適正化のための資料
- 休憩の地点・日時の記入は必須項目
- (2)運行指示書(安全規則第9条の3)
- 2泊3日以上の運行時は、運行経路・ダイヤグラム等記載の運行指示書を作成・携行
- (3)タコチャート紙(安全規則第9条)
瞬間速度・運行距離・運行時間・連続運転時間を記録し、1年間保存しなければなら ない車両は以下の通りである。- ①車両総重量8トン以上又は最大積載量5トン以上の事業用自動車(大型車)
- ②車両総重量8トン以上又は最大積載量5トン以上の被牽引自動車を牽引する事業用の牽引自動車
- ③特別積合せ貨物運送に係る運行系統に配置する運行車
- (4)乗務基準(安全規則第3条第7項)(起点から終点迄の距離が100Kmを超えるものごと)
特別積合せを行う事業者は乗務基準の設定及びその遵守の指導及び監督を行うこと。- 設定事項
- 1.主な地点間の運転時分及び平均速度
- 2.乗務員が休憩・睡眠をする地点及び時間
- 3.運転を交代する地点
過労運転の防止措置義務違反
- (1)必要な員数の運転者の確保違反(安全規則第3条第1項、2項)
常時選任運転者の不足が過労運転を引き起こす原因にならないようにする。
- (2)休憩・睡眠施設違反(安全規則第3条第3項)
施設が設けられている場合でも、
- ①実際に必要とする場所に設けられていない
- ②寝具等必要な設備が整えられていない
- ③施設・寝具等が不潔な状態にある と違反です。
- (3)健康状態の把握違反(安全規則第3条第5項)
健康状態の把握とは労働安全衛生法に基づく健康診断の実施をいい、又、疾病・疲労・飲酒等の乗務がないように対面点呼で確認することをいう。
- (4)交代運転手の配置違反(安全規則第3条第6項)
交代運転者を添乗させるか交代箇所に待機させなければならない場合
- ①拘束時間が16時間を超える場合
- ②運転時間が平均して一日9時間を超える場合
- ③連続運転時間が4時間を超える場合
保守:事業者が休憩・睡眠施設を良好に修復すること。
管理:常に良好であるように計画的に運行管理者に管理させること。