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「安心と安全」が事業存続の鍵   第27回:就業規則を変更するとき

就業規則を最後に見たのはいつでしょうか。
特に問題がなければ、「いつだったかなぁ・・」と考えてしまうかもしれませんね。

しかし、未払い賃金の請求訴訟、労使トラブル、または是正勧告を受けていれば、穴があくほど就業規則を見ることになります。そして、「あの時、見直していれば」と後悔と共に見ることになります。

就業規則の見直しを躊躇する理由として、「従業員の不利益変更」に対する不安があります。
「何もトラブルもないのに就業規則を変更するのは、寝た子を起こすようなものだ」と言い切る社長様がいらっしゃいます。
しかし、見直す必要がある就業規則を放置することは、異常な音と煙を出す車両を「とりあえず走るから・・」と走らせるようなものです。


就業規則を作成・変更する権限は会社にあり、変更手続きは次の通りです。

  • (1)会社が就業規則の変更案を作成
  • (2)事業場の労働者側に変更案を提示して、意見を聴取
  • (3)聴いた意見を書面にして、就業規則と共に労働基準監督署に提出

この「意見を聴取」には、「同意」までは要求されていません。
意見が全面的に反対・部分的に反対であったとしても、その意見を書面(意見書)にして就業規則と共に労働基準監督署に提出し受理されれば就業規則の変更ができます。

問題となるのは、従業員が不利益になる変更を一方的に行うことが可能か否かということです。
労働契約法では、労働者との合意なく就業規則を変更し、労働者の不利益に労働条件を変更することは原則としてできないことになっています。そこで、「従業員にとって不利益な変更は、合理的な変更と認められる場合に限って有効である」と考えることができます。

つまり、その変更は、「会社にとって必要性があるのか」、「従業員が被る不利益の大きさ」で判断されるといえます。
会社の必要性があり従業員の不利益性が小さい変更は合理性があると認められ、必要性がなく従業員の不利益性が大きい変更は合理性がないと判断されるといえます。


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by office-matsumoto | 2010-10-25

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