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妊娠から出産・子育て期間の従業員に対する会社の義務

7月1日に育児介護休業法が全面施行となりました。
育児期間中だけでなく、妊娠から出産、産前産後の従業員に対し、会社には押さえておかなければいけない法律があります。

【妊娠中の従業員に対する会社の義務】

労基法第64条3
妊産婦等を妊娠、出産、哺育等に有害な業務に就かせることはできません。

労基法第65条3
妊娠中の女性が請求した場合には、他の軽易な業務に転換させなければなりません。

労基法第66条
妊産婦が請求した場合には、時間外労働、休日労働又は深夜業をさせることはできません。
変形労働時間制を採用する場合でも、妊産婦が請求した場合は、1日及び1週間の法定労働時間を超えて労働させることはできません。

均等法第9条
妊娠・出産・産前産後休業の取得、妊娠中の時差通勤など母性健康管理措置、母性保護措置を受けた事を理由に解雇その他不利益取扱いをしてはなりません。

均等法第12条
妊産婦のための保健指導又は健康診査を受診するために必要な時間を確保できるようにしなければなりません。

均等法第13条
医師等から指導を受けた時には、女性労働者が指導を守ることができるように、勤務時間の変更や勤務の軽減等の措置を講じなければならない。

【産前・産後の従業員に対する会社の義務】

労基法第65条1・2
女性労働者が請求した場合は、産前6週間(多胎14週間)就業させることができません。
産後8週間は就業させることができません。
ただし、女性労働者が請求し、医師が支障ないと認めた場合は産後6週間経過後は就業させることができます。

労基法第19条
産前・産後休業の期間及びその後30日間の解雇は禁止

【育児・子育て期間中の従業員に対する会社の義務】

労基法第67条:生後満1年に達しない子を育てる女性は、1日2回各々少なくとも30分の育児時間を請求できる

そして、育児介護休業法です。
この法律の目的は、次のとおりであり、平成3年成立、平成11年、平成17年、平成22年と改正されています。
「育児又は家族の介護を行う労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるよう支援することによって、その福祉を増進するとともに、あわせて我が国の経済及び社会の発展に資すること」


上記の条文の多くは、「労働者の請求」による制限です。
請求がないのに、労働を制限することは「不利益な取り扱い」となりますので注意しましょう。

【不利益な取扱い】
厚生労働省で定める事由
1.妊娠したこと
2.出産したこと
3.母性健康管理措置を求めたこと又は措置の適用を受けたこと
4.坑内業務・危険有害業務に就けないこと…又はこれらの業務に就かなかったこと
5.産休を申出たこと又は取得したこと
6.軽易業務への転換を請求したこと又は転換したこと
7.時間外労働、休日労働又は深夜業をしないことを求めたこと又はしなかったこと
8.育児時間の請求をしたこと又は取得したこと
9.妊娠又は出産に起因する症状により労働できないこと…又は能率が低下したこと

【禁止される不利益取扱い例】
○ 解雇すること
○ 期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと
○ あらかじめ契約の更新回数の上限が示されている場合に、当該回数を引き下げること
○ 退職の強要や正社員からパートタイム労働者等への労働契約の変更の強要を行うこと
○ 降格させること
○ 就業環境を害すること
○ 不利益な自宅待機を命じること ○ 減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと
○ 昇進・昇格の人事評価において不利益な評価を行うこと
○ 不利益な配置の変更を行うこと
○ 派遣労働者について、派遣先が当該派遣労働者に係る派遣契約の役務の提供を拒むこと
○ 労働者が希望する期間を超えて、その意に反して所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限又は所定労働時間の短縮等を適用すること

by office-matsumoto | 2012-09-27

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