年金事務所の調査ポイント
昨年から、年金事務所の調査が急増しています。
4年で全事業所の調査を実施するとも言われています。
今年は、算定時の調査を5件対応しました。
調査の目的は、『社会保険に加入すべき従業員が、適正な時期に適正に加入しているか』にあります。
調査のポイント
1. パート・アルバイトの加入が適正か
例えば、パートだから・・アルバイトだから・・試用期間中だから、あるいは非常勤だから・・という理由は、加入しない理由になりません。
加入対象義務者は、
●1日または1週間の所定労働時間が、一般の従業員の3/4以上
●1月の所定労働日数が、一般の従業員の3/4以上
●2ヶ月以上の雇用契約
です。
調査では、非常勤の役員の出勤日数を確認されました。
非常勤だからではなく、実際の出勤状況を確認しておく必要があります。
2. 社会保険の加入時期は適正か
月の途中入社だから、試用期間中だから・・という理由で加入時期を遅らせることはできません。
3.社会保険の標準報酬月額が適正か
標準報酬月額は、基本給、残業手当、住宅手当、家族手当、そして、通勤手当等を含めた賃金(労働の対象)の合計で決まります。
例えば、基本給だけで報酬月額を決定する、通勤手当を除いた金額で報酬月額を決定する・・など、誤りやすいので注意が必要です。
また、年度の途中で、固定で支払われている手当が変動し、その後3か月間に支払われた賃金の合計が 報酬月額と大幅(2等級)に差が生じた場合は、報酬月額を改定する手続きが必要となります。
4.賞与支払届の提出漏れ、届出に誤りがないかどうか
年金事務所の調査で、社会保険の手続きに漏れや誤りがわかった場合は、過去に遡り訂正することになります。
例えば、給与30万円の従業員が未加入であり、過去2年に遡って保険料を納めると約200万円になります(会社+従業員負担分)。
一時の多大な出費だけでなく、調査で指摘され、社会保険に加入しようとしても、「手取りが少なくなる」と加入を嫌がり退職に至ることもあり、業務に必要な人員を確保することが難しくなることがあります。
社会保険の加入は、加入者・未加入者を適正に判断し、また標準報酬、算定、随時改定など正しく手続きを行うことが非常に重要といえます。
by office-matsumoto | 2013-09-08