おふぃま新聞 2月号
2月のおふぃま新聞は以下の内容でお送りします。
1.組合数は減少、組合員数はパート労働者で大幅増加
厚生労働省が公表した平成30年「労働組合基礎調査」の結果によると、平成30年6月30日現在、単一労働組合は24,328組存在しており、組合員数は1,007万人で、前年と比べると組合自体は137減っているのに対し、組合員数は8万8,000人増えています。過去5年間の調査結果をみても、組合数は減少の一途に対し、組合員数は増加し続けています。
また、労働組合員(単位労働組合)のうち、パートタイム労働者は129万6,000人で、前年より8万9,000人増えていて、全組合員に占める割合は13.0%となっています。この割合は、過去5年間、毎年1%ずつ増加しています。
2.インターンシップに参加する学生が増加しています!
内閣府から、平成30年度卒業・修了予定の大学生および大学院生を対象にした調査「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査(平成30年度)」によると、2019年度は7割以上がインターンシップに参加したことがあると回答(複数回参加50.7%、1回参加22.5%)しており、2015年度(複数回参加25.5%、1回参加25.6%)以降、増加していることがわかりました。インターンシップは1日から数カ月間に及ぶものまで様々で、内容も多様化しているようで、就業体験を伴わないものもあります。
3.中小企業の半数が「継続雇用65歳超義務化」に反対
日本・東京商工会議所は、「働き方改革関連法への準備状況等に関する調査」と併せ、「高齢者雇用の拡大に関する調査」の結果を公表しています。それによると、高年齢者雇用安定法の対応状況は、「希望者対象の継続雇用制度導入」が72.7%、「65歳までの定年制導入」が19.2%、「定年制の廃止」が5.1%でした。
65歳超を雇用する企業の割合は73.7%で、2016年調査結果より2.6%増えました。
「65歳超への義務化」には、「影響はない」が44.0%だった一方、「雇用しているが義務化には反対」29.7%、「65歳までは雇用できるがそれ以上の対応は難しい」20.8%で、義務化に反対する割合が50.5%でした。
4.「過半数代表」に注意!〜労働政策研究・研修機構の調査より
過半数代表者は、労使協定の締結等を行う者を選出することなど、その目的を明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続きにより選出された者である必要があります。
NG例:「信任」「話し合い」「親睦会の代表者等、特定の者が自動的になる」「使用者(事業主や会社)が指名」
また、過半数代表者は、監督または管理の地位にある者でない必要があります。
適正な過半数代表者を選出していないことが労働基準監督署の調査などで判明すると、締結した労使協定等自体が無効なものとされてしまい、是正勧告や訴訟に大きな影響があります。今後、労働基準監督署によるチェックがさらに厳しくなることは確実と思われますので、再確認しておく必要があるでしょう。
5.存在が認知されていないことも! 「産業医」、活用できていますか?
アフラック生命保険会社の「がんと就労に関する意識調査」結果報告(2018年11月1日発表)によると、調査対象中、産業医を有すると推定される規模の企業に勤めている患者は65%と推定されるところ、「産業医がいる」と認知しているのは約25%にとどまりました。
病気になった労働者の就労継続には、産業医が関与することが効果的とされています。産業医について、その存在、日常的な健康管理や両立支援の要であることを労働者に周知するとともに、企業としても活用を図っていくことが大切です。
6.注目裁判例から考える皆勤手当
昨年6月は、正規雇用と非正規雇用との待遇格差に関する大きな最高裁判決(長澤運輸事件とハマキョウレックス事件)があり、たいへん注目を集めました。このうちハマキョウレックス事件は、契約社員に対する皆勤手当の不支給は不合理な差にあたるとして、皆勤手当相当額32万円(32カ月分)の支払いが命じられました。
上記判決は、正社員と契約社員の間で職務内容(配送業務)が同じであり、出勤する従業員を確保する必要性も同じであるとして、皆勤手当について格差を認めませんでした。皆勤手当だけでなく、さまざまな待遇において不合理な格差は認められない時代となっていることに、留意が必要です。
コラム
日本における65歳以上の高齢者人口は、27%を超えたそうです。
これ以上、年金受給者を増やしては財政が破綻すると、年金支給開始年齢を68歳に、いや70歳に引き上げようとする動きが出ています。
そして年金支給開始年齢までは会社で給料を支払ってもらおうと、定年60歳から65歳へ、継続雇用65歳から70歳へとする動きも活発になってきました。
平成29年のデータによれば、日本人の「平均寿命」は、男81歳、女87歳と過去最高を更新し、65歳時点における「平均余命」は、男19歳(84歳まで生きられる?)、女24歳(89歳)というデータもあります。
長生きはありがたいのですが、介護をうけたり寝たきりになったりせず日常生活を送れる「健康寿命」は、男72歳、女74歳だそうです。
そうすると、70歳まで働いて、2・3年は趣味を楽しんで、残りの期間は介護をしてもらう生活が待っているのか・・・と落ち込んでしまいますが、厚生労働省のデータそのものが信じられないので、データに振り回されることなく、健康に注意して「死ぬまで元気!」でいきたいものです。
しかし、誤ったデータで施策を打ち出すのだけは本当に勘弁してほしいものです。
by office-matsumoto | 2019-02-01