運転者職場環境良好度認証制度(ホワイト経営認証制度)
運転者職場環境良好度認証制度(ホワイト経営)の申込が9月16日から始まります。今回は、トラック事業者が一つ星を認証するための情報をまとめました(バス事業者、タクシー事業者は要件などが異なります)。
認証制度の目的
(1)認証制度を通じ、認証事業者の労働条件や労働環境を求職者が容易に確認できるようにすることにより、トラック・バス・タクシーの運転者への就職を促進する。
(2)自動車運送事業者が認証基準を満たすために様々な改善に取り組むことを通じて、より働きやすい(よりホワイトな)労働条件・労働環境の実現を図るとともに、法令遵守(コンプライアンス)・安全管理態勢の強化に資する。
認証単位
事業者単位とする。ただし、複数の事業所をもつ場合は、申請者の選択により都道府県単位での申請も可能とする。
認証項目
運転者の労働条件や労働環境に関する以下のような分野の項目とし、認証項目毎に必須項目と加点項目に分類する。
対象分野 | 概要 | 基準点数 | 認証項目 |
---|---|---|---|
A 法令遵守等 | 労働基準関係の法令違反や就業規則の整備、36協定 など | 9項目 | |
B 労働時間・休日 | 連続勤務実績、年次休暇、労務管理 など | 6点以上 | 3項目 |
C 心身の健康 | 健康診断の実施、健康状態把握、パワハラセクハラ窓口の設置 など | 6点以上 | 4項目 |
D 安心・安定 | 従業員補償制度、退職金、最低賃金、割増賃金 など | 4点以上 | 8項目 |
E 多様な人材の確保・育成 | 正社員登用制度、常勤女性運転者、勤務シフト、福利厚生 など | 6点以上 | 1項目 |
F 自主性・先進性等 | 労働災害発生防止のための投資、社員表彰制度等の自主的な取組など |
※認証項目は一つ星を取得するための項目数
申請資格
・事業許可取得後3年以上
・過去1年間において、法令違反や行政処分がないこと ※行政処分の内容・違反点数により、申請可能
審査方法
書類審査(一定の割合で対面審査を実施)
認証基準:必須項目の全てを満たし、かつ、加点項目の合計点数が基準点を満たすこと
認証の有効期間
2年
インセンティブ
インセンティブ措置:(例)・認証マークの車両等への掲示、求人票への記載、国や事業者団体による広報 等
今後、インセンティブを充実していく方向である
認証取得までの流れ
(1)審査の申請 2020年9月16日〜12月15日まで
(2)審査料の振込(書面の場合5万円、電子申請の場合3万円)
(3)<審査の実施><審査結果の通知>合格の場合⇒登録料の振込(6万円)
(4)登録証書の発行・送付、認証事業者がホームページ上で公表される
審査に必要な書類
- 1.審査申込書
- 2.営業所一覧
- 3.自認書
- 4.就業規則の写し
- 5.36協定の写し
- 6.労働条件通知書の写し
- 7.安全委員会、衛生委員会等の各委員会構成員一覧、又は議事次第や議事録の写し
- 8.直近1回分の定期健康診断結果報告書の写し(50人未満の事業者は提出不要)
- 9.行政処分の違反点数を受けている事業者は、違反に対する是正措置が適切に実施(または計画)されていることが確認できる書類(事業改善報告書等)の写し
【参考】一つ星認証
一つ星認証では、27項目(トラック事業者は、25項目)を満たす必要があります。
すべての小項目を満たさなくても設定された基準に達していれば、その評価項目が満たされます。
A:法令順守
項目番号 | 認証内容 |
---|---|
1・2 | 労働基準関係法令違反をしていないこと |
3 | 使用者によって、不当労働行為が行われていないこと |
4 | 道路運送法、貨物自動車運送事業法等に基づく行政処分の累積違反点数が20点を超えていないこと |
5 | 就業規則を周知・提出していること |
6 | 36協定を周知・提出していること |
7 | 労働条件通知書(雇用契約書)を交付していること |
8・9 | 本認証制度が取り消されていない |
B:労働時間・休日
10 | 月の拘束時間または休日労働の限度違反がないこと |
---|---|
11-1 | 就業規則等で、労働時間、休日に関する規定を定めていること ※時間外労働の合計時間を年960時間以内に制限していること ※休息期間を9時間以上確保することを計画・定めていること ※連続勤務を12日以内に制限することを計画・定めていること |
11-2 | 労働時間管理・休日取得のための取組を実践していること ※年間休日数を105日以上である ※完全週休二日制 ※法定を超える年次有給休暇の付与 ※年次有給休暇促進のための具体的なルール ※特別有給休暇制度がある ※運転者ごとに拘束時間、運転時間、休憩時間、休息期間を管理している ※デジタコを導入し、分析ソフトを使用して運用している ※代表者又は担当役員が時間外・休日労働時間数、有給休暇取得状況を把握している ※その他、労働時間管理・休日取得のための取組を行っている |
12 | 運転者ごとに時間外・休日労働時間を管理していること |
C:心身の健康
13・14 | 安全委員会、衛生委員会等で、安全・衛生に関する事項について従業員の意見を聴く機会が設けられていること |
---|---|
15 | 健康診断を実施し、記録・保存が適正になされていること |
16 | 心身の健康に関する先進的な取組を実施していること ※健康診断以外の健康診断、SASのスクリーニング検査等 ※運転者の健康状態や拾う状態把握等の為の機器導入 ※心身の不調を未然に防ぐ取組 ※管理職や人事担当者による面談実施 ※ハラスメントの相談窓口の周知 |
D:安心・安定
17・18 | 社会保険に加入している |
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19 | 運転者の安心・安定のための先進的な取組を実施している ※労災の上積み補償制度がある ※所得補償制度がある ※退職金制度がある ※65歳を超えても働ける制度がある ※入社後1年以内に正社員に登用している ※その他、安心・安定のための取組を実施している |
20 | 交通事故を発生させた場合の違約金を定めたり、損害賠償額を予定する契約をしていないこと |
21・22 | 最低賃金以上の賃金を支払っていること |
23 | 歩合制度の場合は、賃金の6割以上を補償していること |
24 | 労基法に基づき、割増賃金を支払っていること |
※25,26は、タクシー事業者の認証項目
E:多様な人材の確保・育成
27-1 | 多様な人材の確保・育成のための免許・資格取得支援制度を設けている ※運転免許等の取得支援制度を設けている |
---|---|
27-2 | 女性運転者が働きやすい環境がある ※常時選任する女性運転者がいる ※女性専用のトイレ・更衣室がある ※その他、女性運転者を採用・支援する取組を実施している |
27-3 | 運転者のニーズに対応した勤務シフト、福利厚生制度を設けている |
by office-matsumoto | 2020-09-14