おふぃま新聞 11月号
11月のおふぃま新聞は以下の内容でお送りします。
1.傷病手当金の支給期間が改正されます
傷病手当金は、健康保険の被保険者が病気やケガの療養のため連続する3日間を含み4日以上仕事に就くことができず、給与支払いがない場合に、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。支給期間は、支給を開始した日から最長1年6カ月です。この1年6カ月には、復職し再び同じ病気やケガにより仕事に就けなくなった場合の、復職した期間も含まれます。
令和4年1月1日から、この支給期間が通算化され、療養中に復職し再び同じ病気やケガにより仕事に就けなくなった場合、復職期間を除いて支給期間がカウントされることとなりま
す(具体的な支給期間の計算方法は、令和3年11月中に明らかになる見通しです)。
2.11月は「しわ寄せ」防止キャンペーン月間です
大企業・親事業者による働き方改革の取組みが下請等中小事業者に対する適正なコスト負担を伴わない短納期発注、急な仕様変更などの「しわ寄せ」を生じさせる場合があります。厚生労働省は、毎年11月を「しわ寄せ」防止キャンペーン月間として、仕事を発注する事業者へ啓発しています。
厚生労働省「「11月は「しわ寄せ」防止キャンペーン月間です(令和3年度)」(
PDFが開きます)
3.令和2年度 監督指導による賃金不払残業の是正結果から
厚生労働省は「監督指導による賃金不払残業の是正結果(令和2年度)」を公表しました。これによると、是正企業数1,062企業(前年度比549企業の減)、対象労働者数は6万5,395人(同1万3,322人の減)で、支払われた割増賃金の平均額は1企業当たり658万円、労働者1人当たり11 万円にのぼりました。
4.70歳までの継続雇用制度を考えるにあたって
高年齢者雇用安定法の改正により、2021年4月から70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務となっています。ただ、これまでの65歳までの継続雇用制度とは違った点も考慮に入れる必要がありそうです。65歳から70歳に近づくにつれ、関節性疾患やガンなどによる受療率はかなり高まるとされています。また、身体機能や健康状態の個人差も大きくなってくる年代です。
定年前と同じ業務内容としているケースでは、定年後の処遇と職務を十分検討していないケースも多く、退職時期だけが先送りになったような恰好になれば、労働者の仕事への意欲や満足感も低下してしまいかねません。
5.糖尿病と就労の両立支援について考えてみませんか
現在、糖尿病有病者・糖尿病予備軍はいずれも約1,000万人いると推計されており、その数は増加傾向にあります。糖尿病は、治療への配慮がなされれば通常と変わりなく就労を継続することができる疾患ですが、治療せずに放置すると、重症化や重篤な合併症が起こります。
糖尿病の治療では、一般的には2週間から3か月ごとに、定期に受診することが必要となります。薬物療法で自己注射が必要な場合などには、職場で衛生的な環境やプライバシーが確保できる環境が求められます。
しかし、就労世代(20〜59歳)の「糖尿病が強く疑われる人」のうち、治療を受けていない人は約4割にのぼります。その理由として「仕事が忙しい」が上位に挙げられており、事業者には、治療が適切に継続されるように支援することが求められます。
6.くるみん認定・プラチナくるみん認定を受けた企業に助成金支給
内閣府は、10月1日からくるみん認定・プラチナくるみん認定を受けた中小企業事業主に助成金を支給する「中小企業子ども・子育て支援環境整備助成事業」を開始しました。くるみん認定については、1回の認定につき1回の助成(50万円/企業)が行われます。プラチナくるみん認定を受けている企業は、認定が取り消されない限り、令和8年度まで毎年度、助成(50万円/企業)が行われます。
コラム
今年3月から運用が決まっていたマイナンバーカードの健康保険証としての利用が、当初の予定より7ヵ月遅れ、10月20日から本格的に始まりました。
高額療養費および限度額適用認定の申請が不要となることで、窓口での限度額を超える医療費を一時的支払いすることもなくなるようです。
また、専用のポータルサイトで過去の医療費が確認でき、確定申告に活用できるようになるそうです。
現在、マイナンバーカードを健康保険証として利用できる医療機関は10%未満ですが、今後もマイナンバーカードを活用した様々な行政手続きが増え、利便性が増していきそうです。
by office-matsumoto | 2021-11-01