おふぃま新聞 1月号
1月のおふぃま新聞は以下の内容でお送りします。
1.“つながらない権利”によって勤務時間外の連絡を拒否したいと思っている人の割合は72.6%〜連合の調査結果から
テレワークや副業などの広まりから働き方が柔軟になった一方で、勤務時間とプライベート時間の区別がつけづらくなってきています。連合が実施した、勤務時間外の業務上の連絡に関する意識や実態、“つながらない権利”に関する意識調査によると、「勤務時間外に部下・同僚・上司から業務上の連絡がくることがある」72.4%、「“働くこと”と“休むこと”の境界を明確にするために、勤務時間外の部下・同僚・上司からの連絡を制限する必要があると思う」66.7%でした。
勤務時間外に仕事上のメールや電話への対応を拒否できる権利、いわゆる「つながらない権利」は、日本では法制化されていません。拒否することによる勤務評価やキャリア形成への悪影響を心配する労働者もいます。今後日本でどのように法整備されるのか、注目です。
【日本労働組合総連合会「“つながらない権利”に関する調査2023」(PDFが開きます)】
2.価格交渉促進月間(令和5年9月)のフォローアップ調査結果(速報版)が公表されました
中小企業庁では、毎年3月と9月の「価格交渉促進月間」に合わせ、受注企業が、実際にどの程度価格交渉・価格転嫁できたかを把握するための調査を実施しています。2023年9月の価格交渉促進月間における中小企業・小規模事業者の価格転嫁・価格交渉に関する調査結果によると、価格転嫁・価格交渉ともに、「コストが上昇していないため、価格転嫁は不要である」旨の回答の割合が、約2倍に増加しました。
2023年12月以降に調査結果(確報版)が公表されます。
また、2024年1月に発注企業ごとの価格交渉・価格転嫁の評価を記載したリストを公表し、評価が芳しくない企業に対する、所管大臣名による指導・助言が行われることとされています。
【経済産業省「中小企業の価格転嫁に関する調査結果(速報版) 価格交渉促進月間(2023年9月)フォローアップ調査」】
3.旅館業法が改正されています〜カスハラは宿泊拒否も
旅館業の営業者は、公衆衛生や旅行者等の利便性といった国民生活の向上等の観点から、一定の場合を除き、宿泊しようとする者の宿泊を拒んではならないとされています。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行期において、①宿泊者に対して感染防止対策への実効的な協力の求めを行うことができない、②いわゆる迷惑客について、営業者が無制限に対応を強いられた場合には、感染防止対策をはじめ本来提供すべきサービスが提供できない、などという営業者からの意見が国に寄せられました。
令和5年12月13日施行の法改正で、宿泊を拒むことができる事由として「特定要求行為が行われたとき」が追加されました。特定要求行為とは、カスタマーハラスメント(不当な割引、契約にない送迎等、過剰なサービスの要求、対面や電話等により長時間にわたり不当な要求を行う行為等)に該当する行為等を指します。
【厚生労働省「令和5年12月13日から旅館業法が変わります!」】
4.令和5年改正労基則等に係る裁量労働制に関するQ&A(追補版)が作成されました
主な内容としては、専門型・企画型において、労働時間の状況の把握方法は「タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切なもの」であることが必要とされており、労働者の自己申告による把握は原則認められません。ただし、ここでいう「労働時間の状況」の概念およびその把握方法は、安衛法66条の8の3と同一のものであるため、やむを得ず客観的な方法により把握し難い場合においては認められます。
【厚生労働省「令和5年改正労働基準法施行規則等に係る裁量労働制に関するQ&A」(PDFが開きます)】
5.性的マイノリティに関する理解増進に向けた厚生労働省の取組み
令和5年6月に「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」が施行されました。これを受け、厚生労働省においても、性的マイノリティに関する理解促進に向けた取組みに関するホームページを開設しています。
【厚生労働省「性的マイノリティに関する理解増進に向けて〜厚生労働省の取組〜」】
6.賃金改定率が過去最高に〜厚生労働省実態調査から
厚生労働省の令和5年「賃金引上げ等の実態に関する調査」結果によると、1人当たりの平均賃金を引き上げた、または引き上げる企業の割合は89.1%(前年同比3.4ポイント増)、1人当たりの平均賃金の引上げ額は9,437円(同3,903円増)となりました。平均賃金の引上げ率は3.2%(同1.3ポイント増)で、平成11年以降で最も高い数値となりました。
【厚生労働省「令和5年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」(PDFが開きます】
コラム
あけましておめでとうございます。
今年は「新たな挑戦が吉」だそうです。
何か新しく始めるには、現状を整理して余力を持つことが大事です。
ちなみに、整理とは「要るものと要らないものを分け、要らないものを処分すること」、整頓とは「要るものを使いやすい状態にすること」。
私の初仕事は、「整理整頓」と書いて事務所に張り出すことにします。
by office-matsumoto | 2024-01-01