【新連載 アキバ社労士の労務最前線 vol.2】 挨拶をしない社員
秋葉原に、『社会保険労務士事務所オフィス松本』を開設する実務家社労士が、人事担当者の悩み・労働関係諸法令など、労務の最前線情報をお届け致します。
さて、今回は「挨拶しない社員」についての相談です。
「最近の若い者は、・・・」と今日もお怒りモードの部長さん。
「どうしました?」と聞くと、
「いつのまにか出社してきて、知らないうちに帰る」とお怒りのご様子。
ヌボ〜ッと会社に来て、席についたらパソコンの電源を入れて仕事を始める。
そして、帰る時も何も言わないから休憩をしているのか帰ったのかよくわからない。パソコンの電源が落ちているから帰ったのだなとわかる。
いったい、どうしたものかというご相談です。
「挨拶は、部下(目下)からするものだ!」と言っていても何も解決しません。
大事なのは、挨拶を交わすことで気分良く一日が始まることです。気づいた方から声をかければ、相手も挨拶を返します。
挨拶は慣れです。慣れてくれば、自分から挨拶をするようになるでしょう。
挨拶で悩む職場は、誰か1人の挨拶が問題なのではなく、職場全体に挨拶がないことが多いものです。
誰も挨拶をしない職場では、逆に「挨拶」することに戸惑いや抵抗を感じるものです。
「最近の若者は、・・・」と嘆く上司の方も、ひょっとすると挨拶が得意ではないのかもしれません。
挨拶のポイントは、自分からすること。そして、大きな声で(相手に聞こえないふりをさせないように!)、相手の目を見て、しっかりと声をかけるのがポイントです。
挨拶をされたら、相手の目を見て挨拶を返しましょう。パソコンの画面や資料を見ながらする挨拶は、不思議と、「あぁ」とか、「うぅ」になりがちです。
それでは、職場に挨拶は根付きません。お互いに相手の目を見ながらするのが「挨拶」の原則です。
それに、朝の挨拶には「これから仕事します」、帰りの挨拶は「今日はこれで終わります」と労働の開始・終了を知らせる意味もあります。会社には従業員の労働時間を把握する義務があります。
その意味でも、朝の挨拶・帰りの挨拶は重要と言えます。
「最近の若者は、・・・」と嘆く部長さん、明日は相手の目をみて大きな声で「おはよう」と声をかけてみませんか。
by office-matsumoto | 2010-11-14